2020年一景気のいいエンターテイメント『滝沢歌舞伎ZERO 2020 TheMovie』

不二家が一件もない我が街にも、滝沢歌舞伎がやってきた!

映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』公式サイト | 大ヒット上映中!

 

全編を通して息つく暇がなく120%の力を魅せつけられるので観終わった後は正直へろへろだったんだけど、ラウちゃんのおくつについてどうしても言及したくなったので感想メモです。

劇場案内動画

「た!き!ざ!わ!か!ぶ!き!」から始まる案内動画、劇場によってパターンが違うんだっけ?本編では徹底して不穏さを醸す黒影組が、ここでは中の人たちのかわいさを存分に発揮しているのがいいよね。おたくはSnow Manの職人なところもわちゃわちゃも好きなので、需要の理解ありがたい。

1.オープニング

CMでおなじみ未来都市のCGかっこい~…!映画がはじまる、と気持ちが高まります。

子ども部屋から未来都市への流れは、パンフ読んでようやくちょっとだけ(ちょっとだけ)理解できたんだけど、将聖は事態の呑み込みが早くてえらい。

2.ひらりと桜

大量の花びらがふってくる瞬間のきたきたきた!!!!感たまらん。

カメラワークがかなり激しくてSnow Manの表情管理が堪能できる。みんなばちばちにキメてカメラアピールしてアイドル全開の中で、めめのふと笑う「たのしい!」の顔が印象的でした。

3.九剣士

康二くんがトップバッターを任せられているのグッとくる…信頼…。パンフレットで殺陣師の諸鍜治さんがそれぞれの殺陣の特徴をお話しされているんだけど、ダンスの特徴にも通ずるところがあると思う。特にふっかさん岩本さんあべちゃんの三つ巴が手練れていて魅力的だった。舞台上に3人の剣士と敵役とカメラマンさんがいるはずなんだけど、魅せ方がうまくてごちゃごちゃしないのプロのお仕事。そして最後の阿部さん…

4.変面

康二くんがめちゃくちゃ苦労した、と語っているイメージがあるので、かなり寄ったカメラワークにハラハラした。トリックどうなってるんだろう~という目で見てごめん。

5.Maybe

2019のDVDよりもふっかさんとあべちゃんもフューチャーされていてうれしい。切なく澄んだ二人の歌声、もっと聴きたい。

ラウちゃんの踊り、熱くて純粋で美しくてずっと見ていたいな…と思っていたら、足元が赤いエナメルシューズでどきっとした。

ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 赤いくつ DE RODE SKO

気付いてなかったけど去年の舞台も赤いくつだったのですね。「赤いくつに魅了された少女は生涯踊りつづける呪いをかけられ、足を切り落とした」…。踊ることを生業とした少年のフリーダンスの演目で赤いくつを履かせるの、相当趣味が悪くないですか?(褒めてる)

赤いくつを履いた少年には、自分の意志で自分のために踊っていてほしいな、とそれはそれで業の深いことを考えてしまった。

6.My Friend

しょぴおすすめのMyFriend!星空の演出も渡辺さんの歌声も宮舘さんの指先も美しくてうっとりする。

舘様の二の腕ぷりっぷりで健康的でいいね。ていうか全編宮舘さんがぷりぷりつやつやでかわいかった。

7.組曲

 あべちゃんがセンターのパート、あまりに華やかで圧倒された。Snow Manさんそれぞれ得意とするダンスがあると思うんだけどこれはあべちゃんのテリトリーなのかな?

組曲の後のドラマパートで、将聖が「楽しい?…楽しい、かも!」みたいなセリフがあると思うんだけど、組曲の最後は「降りしきる雨の中踊り、倒れこみ息を荒げるSnow Man」だったので楽しいかな?と思いました。将聖が楽しかったならいいよ…。

8.五条大橋

 岩本くん、逆光のライティングが死ぬほど映える。語り手として橋の欄干に腰かけて足を組む佐久間くん、めちゃくちゃ癖です。配役に納得感があるんだけど、欲を言えばふわりと舞う佐久間牛若を観たい。

9.腹筋太鼓

考えるな!感じろ!!!!!!!!!

10.Make It Hot

 メキホ結構治安悪い方の曲だと思うけど蛍光衣装でかなりかわいさがプラスされている。

11.Crazy F-R-E-S-H Beat

 PVもそうだけど、白ほりに黒系衣装でダンスするって本当に素材が問われるよね…最高。少なくとも9回みたい。岩本さん振付好きすぎる。

12.Black Gold

 ソロでつないでいく演出いいな~康二くんのラップであがりました。アイドル向井康二本当に好き。あべちゃんとふっかさんがほとんど歌詞なかったのはMaybeもあるからかな…?!ラウ登場の下からのカメラワークが好き。

13.五右衛門ZERO

 歌舞伎の化粧、厚い分寄った時に毛穴とか皮膚の動きがよく見えるようになるじゃないですか、あれに生を感じる。これ本家本元の歌舞伎についての知識がほしい。

14.男と女の舞

 あべちゃんと佐久間くんの女形の美しいことよ…所作がたおやかで色っぽい。

噂のめめあべ!と思ってマスクの下でにやにやした。めめの空色の着物が歌舞伎では死別の暗喩らしく、このあたりはやっぱ勉強した方が格段に面白いだろうなと思った。

15.総踊り・花鳥風月

 セットが華やかで美しかった。踊りに関して呑み込みがめちゃくちゃ遅いので初見でいえることがない…

16.鼠小僧次郎吉

深澤さんご自身がパンフでおっしゃっているけど、おまるさんどんどん美人になっていくよね。 コメディエンヌの才能。全然関係ないけどパンフの深澤さんのオフショがイケすぎていて、本当にこの人は気を抜くとモテてしまうのだなと思いました。

岩本さんて表情筋が(も)自由自在よね。役柄上苦悩する表情が多いけど、どれひとつ同じ顔がなくて引き出しの多さにたまげました。映画で生きるな~もっと俳優業を観たい。

宮館さんの一人語りのシーン、声のトーンとかセリフの言い回しが本当にいい。舞台で生で宮舘さんのセリフを聴きたい。たぶん寿命が延びる。

あべぞうかわいいよあべぞう!!!かわいいに徹する阿部ちゃん、かわいいのはもちろんなんですけど、こういう役どころを馬鹿にせずに真摯に演じているところがかっこいくないですか?

佐久間くんの金さん、やってる本人が楽しそうでいい。あの発声で舞台できるのすごくない?喉超合金なの?金銀のお部屋のセットがさ~思いっきり対比があって激かわ。シルバニアじゃん。

しょぴと佐久間くんのつくる笑い、安定していて信頼がおけるよね。振り切ってやってくれてうれしい。渡辺さんのすり足に妙な運動神経のよさを感じてしまった。

康二くん、各所のインタビューで映像用の演技をしたって言ってたけど本当に!演技がお上手!!岩本さんとはまた違うタイプの演技派で、感情が表情にしっかり紐づいている感じ。説得力がある。

めめの演技、まっすぐで照れがなくていいよね。血も涙もない半兵衛、純粋に人殺しを楽しんでいる分目が澄んでいる。めめが思いきりやってくれるから官兵衛の含みのある表情とか、以蔵の葛藤が際立つんだよな~。

新吉の迷いと並行して以蔵の心の葛藤が描かれているんだけど、ラウの声の若さがいい塩梅でした。もともとの表現力が半端ないので末恐ろしい…。

影山くんかな?声が伸びて聞き取りやすくて語り手として有能すぎません?

17.WITH LOVE

 演者全員がそろう演目っていいよね…晴れ晴れとした表情をみると「ああいいものをみたな」という気持ちにさせられる。映画がおわって退場するとき、「新しい歌詞さ~、なんか今にぴったしでよかったよね!!!」と話している方がいて善のおたくと同じ劇場でみれてよかったなと思った。

エンドロール

エンドロールが本編か?っている豪華さ。ネタバレふまなくてよかった!ありがとう!!鼠小僧の衣装で劇中の曲を披露するのを発案したのは深澤さんですって。仕事ができる人だな。鼠小僧衣装でCFBが特別好きだった。それぞれの役柄に合わせてアレンジしてた中でも、あべぞうと金さんがずーっとあべぞうと金さんで、楽しいものを楽しく提供してくれるあべさくにときめく。

 

…以上!箱推しのため9人全員に目がいくのでめちゃくちゃ、めちゃくちゃ疲れた!!!笑 歌舞伎、フライング、変面、多様なレパートリーのダンス…ばらばらな時代や場所で生まれ受け継がれてきた技術を集結させて景気よく詰め込んだ映画でした。

アイドルのよさの一つに、多方面での経験がパフォーマンスに持ち込まれることでどんどん深みが増していくところがあると思うんだけど、1つの映画にこれだけ詰め込まれると、これからのSnowManやいんぱくたーずさんたちがどうなっていくのか楽しみでしかないよね。

知識がなくて触れられなかったけどバレエやバトン等のプロの方々とご一緒できるのもなんて贅沢なんだろうと改めて思いました。柔と剛があるから猛々しさが強調されている。

 

地方在住で、家業の都合もあってコロナ禍ではなかなか現場へ行くことができないので、近くの劇場まで歌舞伎がきてくれるのは本当にありがたかったです。

それでもやっぱりずっと、演舞場に行きたいなと思った。いつか、彼らの渾身の作品を生で観られる日がきますように。