何を映画を映画として成立させるのか?映画「おそ松さん」をみたよ

異動で仕事環境が大きく変わってヘロヘロだった4月を越えて、ようやくGWにログイン!というわけで、雑誌も番宣もほとんどノーチェック、前情報ほぼなし、「おそ松さんてすごい人気のやつだよね、えっSnowManで実写化???」というあの日の感情のままで映画館にむかいました。結論から言うと、思っていた100倍楽しかった!!!!!!

 

https://osomatsusan-movie.jp/

 

以下感想。

 

お決まりの中でどう映画を作るのか

元となったアニメを観ていなくても、映画のあらすじを知らなくても、最初と最後は大体同じシーンで終わるのは観る前から大体想像つくじゃないですか。どんなにはちゃめちゃやってもスタート地点に戻せばオールオッケーのいわゆる「お決まり」の中で、それを逆手にとって「映画のお決まり」ではちゃめちゃを作っていく構造がわたしは好きだった。

それっぽい場所、それっぽい音楽、それっぽいキャラクター、それっぽいセリフがあればそこにストーリーやメッセージ性がなくったって「映画っぽい何か」が出来あがっちゃうというのを「今話題のアイドルグループ総出演で人気アニメの実写化」という映画好きでもそうでなくてもいまいち乗り切れない条件の中で見せつけてくるの、結構ロックじゃないですか?わたしはアイドルが好きだし「アイドル舐めんなよ」と常々思っているけど、映画をみて「観客舐めんなよ」と思うことがあるのも事実なんだよね。世間ではそういう時に監督や主演俳優が槍玉に上がるけど、彼らだって好きで仕事にしているわけで、思うところはたくさんあるんだろうなというのは想像できる。そういう感情をひと匙と、メタ表現とアイドル映画としての必要条件をぐるぐるマーブルにした「はちゃめちゃ」だったように感じました。

 

アイドル映画として

アイドル映画ってアイドルの魅力を活かすだけでなく新規開拓されて欲しいなと思っていて、その点でいうと康二くんのおそ松がよかったです。康二くんが元々演技できるのは情報として知っていたけど、恋愛映画風の演出の中でイキイキしてみえたな。ハル役の八木莉可子さんの空気感と声の透明さに呼応するみたいに康二くんの特徴ある声に独特の湿度が伴っていて(中身はなくとも)グッときました。邦画独特の質感が好きなので俳優班としての康二くんをもっと観たいよ〜。といいつつ、ひかるくんと舘様のアクションバトルとかラウちゃんの身体性が生かされたキャラクターの強さとか、おたくとして観たいものがみせてもらえて嬉しい気持ちももちろんあります。ものすごいサービス量だった。

でも一つだけ文句を言わせて欲しいのだけど、絶対エンドロールは実写で踊るシーンがよかったよね?!家とか公園とかアジトとか、各シチュエーション各登場人物でブラザービート踊るシーンを繋いでいって、最後はアニメ版おそ松さんたちと一緒に踊って大円団!までお決まりでやってよ〜〜〜!!と思ってしまうおたくの業。お粗末様です。